「Thrasher Magazine -July 1992-」
こんにちは。
青柳です。
今回の"A" LABELは、スケート界のバイブルともいえる雑誌『THRASHER』について。
前回、「"THRASHER" 18 KILLER SKATE VIDS」について記事を書いたら、やっぱり雑誌についても書きたくなりました。(笑)
今回ご紹介するのは、1992年7月号のThrasher Magazine。
その中でも、特に僕の印象に残った3つのテーマをご紹介したいと思います。
【自分たちの滑る場所は、自分たちで作る。】
最初に紹介したいのは、シアトルのスケーターたちが自分たちの手でコンクリートボウルを作っていたものの、完成前に行政からストップがかかってしまったという話です。
今でこそ全国に立派なスケートパークがいくつもありますが、90年代当時は、今ほど滑れる環境は整っていませんでした。
「町ごとに、その土地のスケーターが作ったパークがあったら最高じゃないか。」
そんな理想から、シアトルのスケーターたちが実際に動き始めたという記事です。
もちろん行政を通していないため、残念ながら完成前にプロジェクトは中止。
ただ、行政が作ってくれるのを待つのでもなく、誰かが整備してくれるのを待つのでもない。
滑りたいから、自分たちで滑る場所を作る。
この記事が伝えたかったのは、「完成こそしなかったけれど、自分たちの滑る場所を自分たちの手で作ろうとしたこと自体に意味があった」ということ。
当時のスケーターたちの熱い想いと行動力には、リスペクトしかありません。
なんでもそうですが、熱い想いと行動力が伴ってこそ、カルチャーになるんだなぁと思います。
【昨日より少しだけ速く滑れ。】
次は、不死鳥ジョン・カーディエルの記事です。
今ではリビングレジェンドと呼ばれるジョン・カーディエルですが、この頃は「次世代の注目スケーター」の一人として特集されています。
ハイスピードで荒々しい滑りは男心をくすぐりまくりますが、僕が惹かれるのはスケートだけではなく、ジョン・カーディエルの生き様そのもの。
エネルギーに満ちあふれた、不屈の男。
"Advice"というQ&Aに対して、「昨日より少しだけ速く滑れ。」と答えています。
この言葉がかっこよすぎて、鳥肌もの。
すごくシンプルですが、めちゃくちゃ深い言葉。
誰かと比べるのではなく、自分自身を少しだけ更新していく姿勢。
20年以上経った今でも、ジョン・カーディエルのかっこよさは色褪せません。
【ジャンルではなく、スピリットで繋がる。】
最後に面白かったのが、ハードコアバンド「Body Count」の特集です。
このページでは、「ギャングスタ・ラップの象徴だったIce-Tが、なぜハードコアバンドを始めたのか。」という内容が語られています。
かつては取り締まられる側だったIce-Tが、今ではステージに立ち、世の中の不条理に対してメッセージを発信している。
そんな対比から始まる記事でした。
具体的には、Body Count最大の問題作「Cop Killer」についても深く触れられています。
Ice-Tは、「本当に警官を殺そうと言っている曲ではなく、権力の乱用や暴力に対する怒りを歌った曲なんだ」と語っています。
音楽はジャンルではなく、「スピリット」。
THRASHERが本当に伝えたいのも、スケートだけではなく、その根底にある「スピリット」なんだと思います。
だからこそ、スケート雑誌でありながら、音楽やアート、さまざまなカルチャーの記事が自然と盛り込まれているんだろうなと思います。
おわりに
30年以上前の雑誌なのに、今読んでも色褪せない。
むしろ、今だからこそ響く言葉ばかり。
それは、流行ではなく「スピリット」を伝えているからなんだと思います。
ページをめくるたびに、新しい発見があって、またスケートやカルチャーが好きになる。
そんな「Thrasher Magazine -July 1992-」でした。
では、また。

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