「ディスクユニオン」- 下北沢 -
レコード・カセット・CDなどの音楽カルチャーを支える、1941年創業の老舗diskunion。
今回は、APPLEBUMの事務所から近い下北沢店・クラブミュージックショップにて撮影とインタビューを敢行。
diskunionで20年以上勤め、自身もDJとして活動しているキムさん(KIM a.k.a. X-one)に、歴史あるdiskunionのカルチャーから、シーンの変化の中で見えてきたものなど、ゆっくり聞いてみました。
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KIM a.k.a. X-one
instagram : https://www.instagram.com/kimakaxone/
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【いつからdiskunionで働いてますか?】
「2002年か2003年だったかな。気づいたら20年以上だね。」
東京・千葉・埼玉・神奈川・大阪・名古屋にありますがその中で、10店舗以上回ってきたそうです。
長く現場にいながら、いろんな場所を見てきた方です。
【元々は輸入自動車屋!?】
diskunionの始まりは、少し意外です。
もともとは御茶ノ水で輸入自動車商として創業し、その後、電気屋へと形を変えていきました。
「店頭のワゴンでレコードとかCDを置いてたんだけど、それがたまたま売れちゃったみたい」
そこから少しずつ音楽の比重が大きくなり、今の形に繋がっていったそうです。
当時のお茶の水は学生運動も盛んなエリアで、街の空気にはどこか反骨的なものがあったといいます。
「ロゴのカラーリングの赤と黒も、反骨のイメージから来てるって言われてるよ」
【下北沢店について】
下北沢は特殊で、下北沢店とクラブミュージックショップの2つに分かれています。
クラブミュージックショップはもともとお茶の水にあったdiskunion発祥の場所で、ビルの老朽化もあり移転することになって、2010年に下北沢へショップインショップという形で移転。
なので、同じ建物内でも別店舗扱いになっているとのこと。

【バイヤーの個性が出るのが面白い】
diskunionの特徴について伺うと、キムさんらしい答えが返ってきました。
「diskunionって、バイヤーの個性がめちゃくちゃ出るんだよね」
同じジャンルでも、店によって全く違うラインナップになるそうです。
下北沢は特に、ロックやバンド、アニメ、映画や雑貨など、サブカルチャー色が強いのが特徴。
なんとなくわかる気がします。

【“いつ来ても何かある店”であるために】
中古レコードは、基本的に買取した店舗でそのまま販売されます。
そのうえで意識しているのが、“回転”。
「とにかく、いつ来ても何か新しい発見がある店にはしたいよね」
いつ来ても同じ棚に同じレコードが入っているわけではなく、少しずつでも変化していること。
毎日掘りに来る人も飽きさせません。
【下北沢店に来られるお客様】
「それこそ昔、ココさん(DJ KOCO aka SHIMOKITA)は毎日のようにレコードを掘りに来ていたよ。今でも月に何回かはきてくれてるけど」
その他にも、DJやミュージシャンはもちろん、芸人さんや俳優さん・女優さんなど、さまざまな著名人の方が何人も足を運んできたそうです。
「著名人の方はわかるもんですか?(笑)」
「なんとなくね、オーラでわかるよね。」
【レコードは“体験”に近いもの】
「レコードの魅力って“体験”っていう部分もあると思うんだよね」
どこで買ったか。
誰と聴いたか。
そのときの空気ごと、思い出として残る感覚。
「デジタルだと、どこで買ったかとかダウンロードしたかってあんまり覚えてないでしょ」
「DJしてても思うけど、同じ曲でもかける人によって響き方も変わるよね。思い出も一緒に音に乗ってくるというか」
そういうところも、レコードならではだと感じます。
【レコード市場の移り変わり】
「2005年を境に、音楽の主力はデジタルへ移行して、アナログ需要はガッと減った感じはあったよね。」
現在はインバウンドや、レコードに対する新しい価値観・再評価の流れもあり、市場としては広がりを見せているようです。
その一方で、若い世代で深くワンジャンルを掘る人は昔に比べると少なくなっているように感じているとのこと。
そういった変化も含めて、時代の流れを感じます。
【プレイヤーから、届ける側へ】
長くこの仕事を続ける中で、キムさん自身のスタンスにも変化が。
「昔は自分が楽しむためだったけど、今はちょっと違うかな」
いまは“届ける側”として、音源をアナログ化して残す取り組みも行っています。
「Slow Lights - Germinating Soul - (LP)」
中野 heavysick ZERO で開催されているイベント「Slow Lights」に参加するビートメイカーとDJがそれぞれ1組ずつタッグを組み、さらにMCを迎えて新たな楽曲を制作するという独自のコンセプトによるコンピレーション。
このアナログの入荷もキムさんが携わっています。
そして、もうひとつ印象的だった話が。
販売前にいいレコードをチェックできるのはいいですね、と話していたところ、
「うちはね、中古レコードをスタッフが買うのは禁止なんだよ」
と。
「寿司屋の大将が、“いいネタ入ったよ”って言いながら、厨房で一番いいところ食べてたらダメでしょ(笑)」
お客様に届けるものだからこそ、そこにはしっかり線を引いているそうです。
【音楽・HIP HOPにハマったきっかけ】
もともとは邦楽が好きで、中学生の頃はブルーハーツをよく聴いていたそうです。
音楽好きな友達が多く、仲間内でいろんな音楽を持ち寄って聴いている中でスチャダラパーを知り、そこから少しずつHIP HOPに触れて、のめり込んでいったとのこと。
「HIP HOPにどっぷりハマったのは、さんピンキャンプからかな」
まだHIP HOPというジャンルが日本で確立しきっていなかった時代。
「新星堂に行っても、日本語ラップなんてギドラとペイジャーくらいしか置いてなかったよね」
そんな時代から、自然とカルチャーの中に入っていったそうです。
大学時代にはHIP HOPにどっぷり浸かりながらも、バンド系のサークルの仲間とも交流していたとのこと。
その中にいたのが、インディーレーベル「カクバリズム」の創設者・角張渉さん。
昔から遊んでいた仲間と、大人になっても同じ趣味で楽しめるのはいいよね、という話も印象的でした。
「今でも、渉くんのトークショーの現場でDJをやったりするからね。なんか不思議だよね」
【変わり続ける下北沢の街】
下北沢という街も、少しずつ変化しています。
家賃の上昇により個人店は減り、大手の出店が増えてきました。
「昔よくココさんと行ってた定食屋も、なくなっちゃったんだよね。名前も忘れちゃったけど(笑)」
それでも、音楽やカルチャーの拠点としての魅力は残り続けていると感じます。
「今だとよく行くお店が、オレオとかカウンタークラブとかリブハウスとか。」
「老舗の焼鳥屋さかえはなくならないでほしいなぁ」
我々種族にとって、生活の一部といっても過言ではない音楽。
そのカルチャーを支え続けているキムさんの話には、あらためて気づかされることが多くありました。
気づけばまた、レコードを掘りに行きたくなっています。
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ディスクユニオン下北沢店
ディスクユニオン下北沢クラブミュージックショップ
〒155-0031
東京都世田谷区北沢1-40-6カシワサードビル1F
アクセス:下北沢駅から徒歩5分
営業時間
平日 12:00~20:00
土日祝 11:00~20:00
web : https://diskunion.net/
Instagram(下北沢店):https://www.instagram.com/diskunion_shimokitazawa/
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